EtherNet/IP機器開発のステップ(5)
5.テスト
製品開発後に、以下のようなテストを実施することをお勧めします。
(1)長時間の連続運転試験
製品を10日~15日間連続運転させ、リソースの競合やリリース忘れなどがない
ことを確認します。
(2)電源ON/OFF試験
十分な電源復帰時間をとりながら、製品の電源ON/OFFを繰り返します。
数日間テストを繰り返し、製品のハードウェアとソフトウェア(ファームウェア
)の相互作用のタイミングを重点的に調べます。
(3)通信の切断と回復試験
ケーブルの切断/復旧やスイッチングハブの電源ON/OFFを数日間に渡り繰り返
し、メモリリークやファームウェアの実行タイミングに問題がないかどうかを確
認します。
なお、デバイスの回復時間も妥当かどうかを検証します。(ケーブルの抜き差し
やスイッチングハブの電源ON/OFFから数秒間で回復すべきです)
(4)限界試験
コネクション数、RPI値などを限界値までテストし、次に限界値以上でテストを
行い、問題がないことを確認します。製品がサポート可能な最小RPI値でもテス
トを行い、問題がないことを確認します。
(5)デバイス設定パラメータの変更試験
パラメータを変更し、正しい動作が行われるかどうかをテストします。特に、
電源ON/OFF後に格納されているパラメータが正しいかどうかを確認します。
(IPパラメータ、DHCP/BOOTPの有効/無効、イーサネットポート設定など
不揮発メモリに格納されるべきもの)
DHCP/BOOTPクライアントは、サーバから有効なレスポンスを受け取った後、
リクエストの送信を停止するかどうかを確認します。
(6)セキュリティの確認
組込ネットワークセキュリティツールを利用し、セキュリティリスクを評価しま
す。
例えば、 http://insecure.org/のサイトにあるNmapというセキュリティ
ツールでセキュリティホールを見つけることが可能です。
(7)既存商品との互換性確認
既存製品との互換性は見逃されていることが多いため、必ず相互接続テストを
行います。
(8)コンフォーマンステストツールによるプロトコルテスト(事前確認)
ODVAのコンフォーマンステストを受ける前に、自社内でテストツールによる
試験を行います。
なお、コンフォーマンステストツールの申込みは、ここからお願いします。
また、開発品のプロトコルテストを実施する場合に、プロトコルアナライザ
(Wireshark)を利用することをお勧めします。
無料で、高機能なツールです。
(9)コンフォーマンステスト
ODVAでは、製品に組み込まれているCIP技術がCIP仕様書に適合していること
を証明するために、ベンダから独立した品質保証を提供しています。
EtherNet/IPデバイスコンフォーマンステストの受験は、全てのEtherNet/IP
機器に必須です。
日本におけるテストサービス機関(TSP)は、横浜にあるTUVラインランドジャ
パンになります。(日本では、アダプタのみとなります。スキャナやSafety、
DLRについては、米国のODVA本部でのみ受験可能です)
コンフォーマンステストの申込みは、こちらからお願いします。
コンフォーマンステストに合格すると、ODVAから適合製品のDeclaration of
Conformity (準拠宣言:通称DOC) が送付されます。
ODVAによって発行されたDOCは、www.odva.orgで入手可能となります。
6.販売
ベンダ様は、準拠宣言(DOC)を入手することで、EtherNet/IPの商標とロゴを使用する権利を得ることができ、製品の販売が可能になります。
ただし、製品を販売後も、製品のファームウェアやハードウェアの改変を行った場合は、コンフォーマンステストの受験が必要となりますのでご注意下さい。
また、ベンダ様の販売をサポートするために、ODVA事務局日本支部では販促委員会を組織しています。活動にご興味のある会社様は、ODVA事務局事務局までお問い合わせ下さい。
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EtherNet/IPについて
CIPの技術ライブラリは、ここを参照してください。
EtherNet/IP製品を開発する時に有益なツール類
Molex様が開発した、特定のIPアドレスの機器にExplicit Messageの送信と応答の受信ができるツールです。
任意のメッセージを送信できますので、開発中の機器をデバッグに大変役立ちます。
また、既製品の動作確認にも使用できます。
ODVAが提供している、EDSを簡単に作成するためのツールです。基本的な文法チェックの機能があります。
ODVAへの入会
EtherNet/IP機器やDeviceNet機器を開発・販売するためには、ODVAが管理する仕様書等を購入し開発する必要があります。ODVAの会員になるには、ここを参照下さい。
ODVAリンク集
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