EtherNet/IP機器開発のステップ(2)
2.製品仕様の定義
EtherNet/IP製品の要件を定義します。検討する内容として、下記のような項目があります。
①開発対象のEtherNet/IP機器は、CIPオブジェクトとサービスをいくつサポート
する必要があるか?デジタルI/OモジュールのようなI/O機器か?それとも
スキャナモジュールのようなPLCか?
②他にどんな機器やアプリケーションと通信する必要があるか?
(通信要件とインタフェースは?)
③アプリケーションデータをどのように構成するか?
④アプリケーションデータは、周期的に交換されるか?イベント駆動型か?
クライアント/サーバ型トランザクションか?通信頻度は?
⑤アプリケーションとネットワークの性能要件は?
⑥パラメータはどのように設定するのか?
⑦他に必要なアプリケーションプロトコルは?
なお、他の機器との相互接続性を確保するために、以下のドキュメントに記載されている推奨事項を実装することを強くお勧めします。
これらの推奨事項は、過去に開催された複数回のPlugFest相互接続性イベントにて、ODVAが認証したものであり、今後も更新していきます。
1)「Recommended Functionality for EtherNet/IP Devices (PUB 70)」
デバイス間の相互接続性を保証し、ユーザアプリケーションに最低限必要な機能を
提供する推奨文書
アダプタと大半のPLCスキャナオブジェクトとの相互接続を可能にするための
推奨事項を記述
2)「Recommended IP Addressing Methods for EtherNet/IP Devices
(PUB 28)」
IPアドレスの割り当て方法、通信速度、全二重/半二重の設定などのデバイス共通
の事項を記述
上記のドキュメントは、ODVAのホームページから入手可能です。(また、その
他のドキュメントも参照し、開発することをお勧めします。)
今後、推奨事項を仕様書に盛り込むことやコンフォーマンステストでのテスト項目
にする計画もありますので、上記の推奨項目は開発時に仕様に盛り込むことを強く
推奨します。
一方、性能的には、下記のパラメータを考慮・定義する必要があります。
①CIPコネクションの最大数とコネクションタイプ
使われ方が不明なため規定できない場合は、推奨文書「 Recommended
Functionality for EtherNet/IP Devices 」に従う。
②最低許容RPI
使われ方が不明なため規定できない場合は、最小RPI速度10msとする。
可能であれば5msとする。
③最小データサイズでの最大スループット(パケット/秒)
④最大データサイズでの最大スループット(パケット/秒)
IPアドレスの設定方法は、工場出荷時はDHCPを推奨します。
なお、静的アドレス指定が可能な場合には、設定を工場出荷時の初期値にリセット して、デバイスを元の状態に戻す方法を提供すべきです。
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EtherNet/IPについて
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EtherNet/IP製品を開発する時に有益なツール類
Molex様が開発した、特定のIPアドレスの機器にExplicit Messageの送信と応答の受信ができるツールです。
任意のメッセージを送信できますので、開発中の機器をデバッグに大変役立ちます。
また、既製品の動作確認にも使用できます。
ODVAが提供している、EDSを簡単に作成するためのツールです。基本的な文法チェックの機能があります。
ODVAへの入会
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