EtherNet/IP機器開発のステップ(3)
3.実装方法の選択
EtherNet/IPの実装には、大きく分けて以下の方法が選択できます。
①独自のハードウェアとソフトウェアを開発する
②ベンダから実装のための製品を一部分だけ購入する
③ベンダから実装のための製品をまるごと購入する
①を選択した場合は、EtherNet/IPの仕様書を熟読し、完全に理解することが必要です。
以下では、②または③を選択した場合に、具体的にどのような方法があるのかを解説します。
(1)組込ボードや組込モジュールの購入
EtherNet/IPハードウェアとソフトウェア(プロトコルスタック)が組み込まれ
ており、ベンダ固有にカスタマイズできます。また、商品化までの時間が短い等の
利点があります。
ただし、コストが課題となる場合があります。
なお、コンフォーマンステスト済みの製品を購入して実装した場合も、最終製品
で再度コンフォーマンステストの受検が必要となりますので、ご注意下さい。
(2) EtherNet/IPスタックを組み込んだチップまたはFPGAの購入
チップまたはFPGA内にEtherNet/IPプロトコルスタックが組み込まれており、
ベンダ独自のアプリケーションの組込みも行えるため、高い通信性能が実現可能で
す。ただし、ハードウェア開発が必要となります。
(3)EtherNet/IPスタックが組み込まれていないチップ
産業用Ethernet向けの汎用LSIを利用する方法です。EtherNet/IPプロトコルス
タックは、組み込まれていないため、別途調達する必要があります。ハードウェア
開発が必要となります。
(4)EtherNet/IPスタック(ソフトウェア)のみ購入する
EtherNet/IPプロトコルスタックのソフトウェアが、ソースコードまたはライブ
ラリ形式で提供されます。製品開発のための技術サポート、メンテナンス、相談サ
ービスが受けられます。
上記のように、複数の実装方法を選択可能ですが、下記のような点を考慮して、最
適な実装方法を決定してください。
①EtherNet/IPの機能要件は一般的か、それとも自社製品のアプリケーションに
特化されたものか?
②商品化までのスケジュール要件は?
③開発予算は?
④製品の目標原価は?
⑤関連する経験と専門知識はあるか?
・ハードウェア開発
・イーサネット通信
・TCP/IPプロトコル群
・組み込みデバイス開発
・CIPおよびEtherNet/IPの知識
⑥製品をサポート・管理するためのリソースはあるか?
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EtherNet/IPについて
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EtherNet/IP製品を開発する時に有益なツール類
Molex様が開発した、特定のIPアドレスの機器にExplicit Messageの送信と応答の受信ができるツールです。
任意のメッセージを送信できますので、開発中の機器をデバッグに大変役立ちます。
また、既製品の動作確認にも使用できます。
ODVAが提供している、EDSを簡単に作成するためのツールです。基本的な文法チェックの機能があります。
ODVAへの入会
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